2003年
事務所でたまたま再会した旧友 木下裕晴が自分の関わっているイベントに黒沢の出演を打診すると、そこから話は進み、「どうせなら一緒に出よう」と、急遽バンドを結成する事となる。当初構想していたのは二人ともが敬愛するロック・パイルや、ミッキー・ジャップス・レジェンドの様な所謂パブロックバンドに習い、ロックン・ロールのカバーの合間に多少のオリジナルを混ぜた、比較的「気楽さと趣味性の強い」感じのイギリスのグループを手本にバンドの構想を進めたものであった。ところが出演予定のイベントが予想外に規模の大きなものだったため、黒沢が幾つかの曲を書き下ろし、最終的にはオリジナル曲を中心とした新バンドとしてイベントにエントリーすることとなった。
このcurve509と名づけられたバンドは、他のメンバーはギターに井澤憂飛、ドラムに堀宣良を迎えたがこの人選もパブ・ロックグループに習い、他でも自分のメインバンドを有している実力のあるメンバーが条件という、他から見ればどうでも良いようなディテールにこだわったのも彼ららしい。
当初は非常にラフな構想のままのスタートではあったが、結成と同時にレコーディングを開始し、彼等のライブの初日の5月9日にシングル「TOO LONELY TO SEE」を会場でリリースするなど、本格的な活動に発展する。
「気楽さと趣味性の強い」部分にこだわりつつも、自分達のルーツであるロックンロールを熱く、又楽しげに演奏するステージは評判を呼び、彼等の出演するライブハウスのチケットはほぼ毎回ソールド・アウト、結成から一年後に発売したミニアルバム「curve509」はタワーレコードのインディーズ・チャートで1位を記録する。