96年にはアルバムからカットされたシングル「GAME」がヒットを記録するなど順調に思えた彼らの活動であったが、一人歩きするヒットメーカーとしてのイメージや肥大化する周りの状況にすれ違いを感じた彼らは、それまで所属していた事務所を離れ、来るべき次のアルバムに備え、プロモーション等を中断して楽曲製作に専念する。
しかしながら、製作は難航、出来上がった楽曲の再構築と破棄を繰り返し、この年にはファンへの途中経過報告のような形でのシングル「NICE TO MEET YOU」のみのリリースとなる。
因みにこの曲のプロモーションビデオは、彼らのアイデアにより70年代アメリカの人気音楽番組「SOUL TRAIN」をモチーフにしたとても楽しい物に仕上がっており、当時の彼を取り巻く状況とは裏腹な印象を与えるのも面白い。
そして97年2月ついに待望の新曲「アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック」がリリースされる。シンプルかつシャープでありながら重苦しい雰囲気のサウンドと、それを縫って吐き出されるような退廃的な歌詞は、当時メロディアスなポップ・グループとしての新曲を予想していた多くのリスナーを良い意味で裏切る形となった。しかしながら今までアルバムの中でしか垣間見る事の出来なかったL⇔Rのある意味実験的な側面をシングルと言う形態で堂々と表明した事が、また、新たなファン層を獲得する結果となる。